嘘日記〜私の日常〜
着ぐるみと坂道の関係
長い坂道を登っていた。

暑い日で、もやもやと地面から湯気のようなものが立ち上っている。

道の先を見るが、坂は長く続き、ようやく半分…といった辺りだった。

坂の上のカフェが妹のお気に入りで、よくそこで待ち合わせするのだが、こんな日は流石にウンザリする。

早く冷たい飲み物にありつきたいものだ。

と。

坂の上から、何かが転がって来るのがみえた。

(あれは…ぬいぐるみの生首?)

少しずつこちらに近づいてきて、それは中が空洞だという事がわかった。

つまり、着ぐるみの頭を、誰かが転がしてしまったのだろう。

ぬいぐるみの頭にしては大きめな事にも、それで説明がついた。

坂が急だったので、ゴロゴロと見る間に近づいてくる。

拾ってやろうと、私はそれに手を伸ばし、なんとか抱き止めた。
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