【続】ギャップ的恋愛論
「紅茶ねぇから、熱い茶でいいか?」
「うんっ!むしろ熱いお茶の方がいい」
………あっそ。
小さいがらも対面になってるキッチンから向こうを覗くと、ホクホク顔でコタツに潜ってる乙葉が見える。
俺は愛用の急須にお湯を注ぎながら思ってしまった。
自分で言うのもなんだけど、俺の顔にコタツや日本茶は、かなりミスマッチだと思う。
だけど……お前も相当だよな?って。
冬だっていうのに肩が半分出てるセーターを着てニコニコしながらコタツに潜ってる乙葉は、まるで外国産の毛並みの綺麗な猫のよう。
………くっ…似合わねぇ。
「ほらよ」
「ありがと」
俺が湯呑みを置くと、これまた熱そうにフゥフゥ息を吹き掛けながら飲みはじめた猫。
「なんでコタツに過剰反応したんだ……?」
俺もコタツに足を突っ込みながら、茶をすする。
………老人会の集まりか、ココは。
「だって凌ちゃんが出してくれないんだもん」
「……コタツか?」
「うん、そう。
昔はあったんだけどね、あたしとママがあんまりつまずくから危ないって、出してくれなくなっちゃった」
………なんか妙に納得。
「大好きなのにさ、こうやってコタツに寝転ぶの」
そう言いつつ背中をくるりと丸めた猫は、上半身まですっぽりコタツ布団にくるまった。
あんまり無防備にしてると襲うぞ、コラ。
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