【続】ギャップ的恋愛論
そういや猫といえば……
俺はもう一匹の厄介なオス猫を思い出して、小さくため息を漏らした。
あんまり聞きたくねぇけど、うじうじすんのも嫌いだしな。
ここはさっくり聞いとくか。
「お前さ、ルイと仲良いの?」
「……えっ…」
「ルイに言われた。俺と居るよりほっとするってお前が言ってたって」
なるべく感情的にならないよう気をつけながら俺がそう言うと、
「それはっ……それは……」
最初こそがばっと起き上がった乙葉だけど、なぜかだんだんその勢いがなくなっていく。
「それは?」
「だから……」
「………」
あ〜もう、イライラすんじゃねぇか!
まさか本気でルイに惚れたとかじゃねぇよな……
「はっきり言えよ」
さすがに感情を隠しきれなくなった俺の声に、今度はビクッと体を震わせた乙葉は、
「………から」
真っ赤な顔で何かぼそぼそと呟いている。
その様子に一抹の不安を感じながら、
まさか……マジで『ルイが好きだから』じゃねぇよな……
沸き上がる感情を必死に堪えつつ、
「……もう一回言ってくれ」
俺が言うと、
「だから… 怜二と居ると緊張しちゃうからっ」
さらに真っ赤になった乙葉は、叫ぶようにそう言って、再びコタツへ潜っていった。
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