【続】ギャップ的恋愛論
「お、屋内……?」
「そ… 前に球技大会をやった体育館の中の温水プール」
温水……か……なるほどね。
凍死は免れそうだけど、溺死の可能性はまだ十分あるじゃん……
「3年間でさ、最低20時間は水泳の授業が必要なんだってさ。
すでに20時間クリアしてる3年生はいいとして、1・2年は2日かけて、5時間ぶっ通しでそこで水泳やるらしいよ」
「えっ!?1日中??」
「うん、昨日の職員会議で決定したみたい」
「そうなんだ……
っていうか、やけに詳しいね……?」
お姉さん、まるで職員会議に出席したかのような情報網じゃないっすか?
「だから最初に小耳に挟んだって言ったでしょう?
たまたま見たのよ、担任の机に置かれた議事録みたいなの。
多分、今日か明日には通告されるんじゃない?
まあ強硬策だからさ、泳げない人はそれなりにプールに浸かっておけばいいんじゃないかと思うけど……」
そっか……、浸かるくらいなら、あたしにもなんとかなる。
でもさ〜〜〜
「やっぱりイヤだ、イヤだ。
1日中温水プールなんて、体中がふやける。
メイクも出来ないし、エクステだって取れちゃうかも……」
そうなったら、あたしの取り柄がなんにもなくなっちゃうじゃん。
怜二に言われたのに……
『ケバい方がお前らしくていい』って。
だからギャル風に戻したのにぃぃぃ!!
そんなの困る〜〜〜!!!
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