【続】ギャップ的恋愛論
そんなあたしをしばらくポカーンと見てた怜二だけど、急に思い出したように笑い出した。
「ぷっ…ぶはははっ!」
「なんで笑うのよ!」
こんなに真剣にお願いしてるのに!
怜二の素顔がバレるかどうかは、あたしにとっては死活問題にも等しいんだよ?
「いや、わりぃ……
俺もおんなじこと考えてたなって思ってよ」
「どういうこと?」
自ら着用しようと思ってたとか?
「その話を聞いた時、乙葉にも被り物着けさせなきゃなって」
「か、被り物っ!?」
なんであたしが!?
しかも被り物って!
「ああ、お前の素顔を見ていいのは俺だけだからな」
「……そんなにあたしの素顔って見るに耐えない……?」
そりゃ、ずいぶん変わるけどさ……
そんなに心配されるほどだったとは……
怜二の説明にショックを隠しきれずにあたしがしゅんと肩をすぼめると、
「バ〜カ!逆だっつうの!
他の男がお前に惚れるから見せたくねぇの」
照れ笑いを浮かべてそんなことを言うから、
「………へっ??」
今度はあたしがポカーンとなってしまった。
あたしが惚れられるって……
怜二ったら、どんだけ見当違いな心配をしちゃってんの!?
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