【続】ギャップ的恋愛論






「俺にこの後用事なんてねぇからな」



「……へ?」






そっち?






てっきり、デートだと浮かれたことを言われると思っていたあたしは、意外な言葉に、今度は口をぽかんと開けて怜二を見上げた。






「タイムリミットっつうのは…… まあアレだ、アレ」



「……アレと言われても……」



「だから……アレだって」






そんなあたしに、つっけんどんにそう言うと、プイと顔を反らす怜二。






???





気のせいかな?
顔が赤いような……






でもこうなってくると、是が非でも続きが聞きたくなるのが女ってやつで。






「言ってくれなきゃ、帰んないからね」






調子に乗って、ちょっと強気な態度に出るあたし。






詰め寄るように顔をぐっと近づけると、観念したのか、怜二は口をへの字に曲げて、それからぽつりと呟いた。







「………俺の理性が保てる限界というか……」



「………」






………はい?







「あーもうっ、せっかく人がさっき我慢したっつうのに……
今すぐ襲うぞ、コラ」







最後に凄むようにそう言った怜二の手が、いきなりあたしの腰を捕らえてそのままグイっと引き寄せから、






……っ…!?!






かなり焦ってしまった。








`
< 116 / 149 >

この作品をシェア

pagetop