【続】ギャップ的恋愛論
もう家に着いたかなぁ……?
朋歌の家の郵便受けにホントにDVDを投函して、さっき送ってきてもらったばかりなんだけど……
すでに怜二が恋しくなってるあたり、あたしは今日、もっともっと怜二に溺れちゃったらしい。
でも、今まではどこか一方通行なような気がしてたこの想いが、ちょっぴり変わった気がしてしょうがない。
きっと怜二も……
「ふふふっ、へへへっ、うひゃひゃひゃひゃ…」
こんなに幸せでいいのかなぁ……
難無くプール問題も解決したし、おかげで来週は初デートだし♪
そうやって、凌ちゃんが帰ってくるまで、あたしはひたすら顔の筋肉を緩ませていたらしい。
「うわっ… 顔が崩壊しかかってるぞ、乙葉」
帰って早々、かなり失礼なことを言われてしまった。
でもいいもんねー。
「だって幸せだから♪」
「はぁ?」
「いーの、いーの、あたしのことは。
それより早くご飯作ろ!」
「あー…それなんだけど、まだ打ち合わせが残っててさ、また会社戻んなきゃなんないし、俺が作るわ」
そう言って凌ちゃんは、手慣れた様子でエプロンを着けながら、キッチンへと向かって行く。
じゃあお言葉に甘えて。
その後ろ姿に小さく手を合わせると、あたしはソファーに身を沈めて、さっき怜二に言われた言葉達を回想する作業に再び没頭した。
「……ぐふ、ぐふふふ…」
まさか凌ちゃんの言った『打ち合わせ』の内容が、あたしと怜二を波乱に導くモノだとは知らずに−−−
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