【続】ギャップ的恋愛論






「俺はな、弱い人間なんだ」



「そんなことありません」



「いいんだ、怜二。
俺は誰かのせいにしないと柾の死を受け入れられないような奴なんだ。
その証拠に、23日に柾の手元に届くはずだったプレゼントが2日も遅れた原因を作った航空会社までも今だに恨んでる」



「そのことなんですが、トラブルって何があったんですか?
航空便なんて、そうそう遅れるもんじゃないでしょう?」






その中身が何だったのかは知らないが、柾さんが乙葉の為に海外からクリスマスプレゼントを取り寄せたというのはさっきの話でわかった。






でも、そもそも定刻通りに飛ぶ飛行機が、2日も遅れることってあるんだろうか……?





気になっていたことを尋ねた俺を見た凌さんは、また小さくふっと笑みを零した。






「クリスマス・スト……だとよ。馬鹿げてると思わねぇか?
せめて正月にしてくれりゃいいものを」



「ストライキ……」



「ああ。そのせいでサンタからのプレゼントを心待ちにしていた子供をどれだけ悲しませたか、アイツらはわかってねぇんだ。
そしてそのせいで、急いで家に帰るハメになった柾が死んだことも……」







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