【続】ギャップ的恋愛論






どれくらいそうして居たんだろう……?






少なくとも、手元のコーヒーが人肌以下まで冷めてしまうぐらい、俺と凌さんは互いに俯いていた。






「……ありがとな…」






不意に聞こえた声に頭を上げると、






「まさかお前に慰められるとは思わなかった。
俺も相当ヤキが回ったな……」






そう言っていつもの余裕の表情を浮かべた凌さんがそこに居た。






「いえ…、俺の方こそ生意気言ってすみません」



「ククッ… 皮肉なもんだな。
堂々と謝る態度まで柾に似てるよ、お前は」





俺が柾さんに……?
まさか……!?






思ってもみないことを言われて俺が面食らっていると、






「さて、そろそろ本題に入んねぇと、お前待ちの客が帰っちまうな。
なあ?人気者さんよ……」






皮肉たっぷりに微笑んでみせた凌さんは、おもむろにパソコンが置いてある自分の机へと向かって行った。






本題って……
今までの全部前フリだったのかよっ!?






俺が呆気にとられてる間にまた戻ってきた凌さんは、目の前のテーブルの上にどこかのホームページをプリントアウトした紙を置いた。






「これだよ。柾が乙葉にやりたかったモノは……」







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