【続】ギャップ的恋愛論






だけど、ここで怯むわけにはいかない。






お前の気持ちはそんな曖昧なもんかと、蔑まられるわけにはいかないんだよ。






ちゃんと明確な理由を説明しねぇと。







俺は深く深呼吸を繰り返してから、口を開いた。






「さっき凌さん自身が言ってましたよね、予約殺到の代物だって。
もう10月ですよ?
普通に考えて、500個なんてとっくに完売済みじゃないでしょうか。
ましてや4年に1度なんて…」





すでに20年先ぐらいまで予約で埋まってんじゃねぇの?






注文すれば必ず手に入るモノで許しを貰えるならかなり有り難い話だけど、それってどう考えたって近い将来では絶対ムリな条件だろ?







だから違う条件を出してもらおうと、かなり慎重に言葉を選んで訴えたつもりだったのに……






そんな俺に返ってきた言葉は、






「……バカか、お前」






のひと言で。






ムカッ−−






さすがに今のはカチンときたぞ、コラッ!!!






「なんでだよっ!考えりゃわかる話だろーがっ!」






……ああ、そうか。
結局なんだかんだ理由付けて、最初っから別れさせる気だったんだろ!





「っざけんな!俺は絶対別れねぇ…」



「まあまあまあ、そう熱くなるな、小僧」






完全に頭に血が昇っていた俺の言葉をそう言って遮ぎるなり、ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながら、凌さんは立ち上がっていた俺を顎で座るよう促した。






「見込みがない話を俺が持ち出すわけないだろ?」







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