【続】ギャップ的恋愛論
だけどそんな小細工はやっぱりこの人に通用するはずもなく……
「ふ〜ん…、常連、ねぇ……」
眉をひそめて上から下までなめ回すように視線を向けられた。
クソッ…!
おもっくそ疑われてるじゃねぇか……
「とにかく!俺は本気ですよ、乙葉のこと」
「だったらこの話に乗れ」
「だからそれはムリだって…」
「いいから聞け。
確かにコイツはなかなか手に入らない代物だ。だがな……」
そこで一旦言葉を切った凌さんは、テーブルに置かれたままの紙を片手で持ち上げて下の方を指差した。
「ここをよく見てみろ」
言われて渋々俺も顔を寄せる。
「ちゃんと書いてあるだろう?“厳選なる抽選にて選考”って」
「え…、ああ、そうですね」
確かにそこには、予約申し込み締切日と、その文言が載っている。
「つまり、お前にもまだチャンスがあるってわけだ」
「それにしたって確率は……」
何千分の一、とかじゃねぇの?
下手したら、何万分の一……?
顔をしかめる俺の考えを一瞬で読み取ったのか、凌さんはニヤリと目を細めた。
「それはお前の運と、乙葉への情熱次第だ」
「………はっ??」
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