【続】ギャップ的恋愛論





そんなこと、想像しただけで、額からぶわっと汗が吹き出る。







赤くなってしまった顔を、ひたすら俯いて隠していると、凌さんがまたもやバカにしたように鼻で笑った。






そして、今、俺が最も恐れてることを口にした。







「あっそ…。んじゃ、お前に乙葉を任せるわけにはいかないな」



「……っ…」



「いいか、さっきも言ったように、無理矢理お前達を引き裂くような無粋な真似はしないが、そうなるよう仕向けることぐらい、この俺には簡単に出来るってことをよく覚えておくんだな」



「何をっ…」





する気なんだよ……アンタ。





声にならない疑問を抱えて俺が恐る恐る視線を上げた先には、下剋上のような夜の厳しい世界で長年生きてきたことを、自信たっぷりに証明するような顔をした凌さんが居た。






「お前が今まで関係してきた女を全て探し出して、乙葉の前に突き出してやる。
きっとさぞや面白い話が聞けると思うんだが……?」



「……くっ…」






くそったれがっ!!!






お前が言うと洒落になんねぇよ!!!






憎しみを込めて睨み付ける俺を尻目に、






「乙葉はああ見えて純粋無垢だからなぁ…、そんな裏話を聞かされて、どうするだろうな?
まあ、間違いなく、お前から離れてくだろうけど……?」






心の底から憎悪が沸きだしてくるほどムカつく声でそう言って笑った。







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