【続】ギャップ的恋愛論
何?今の。
何?今の。
「何ーー!?今のっ!!」
あまりに突然のこと過ぎて。
追い掛けるタイミングも、呼び止めるタイミングも失ったあたしは、絶叫にも近い声を上げた。
「どうしたよ?」
その声を聞き付けて、まだ教室に居た朋歌がさも迷惑って顔で、口をパクパクさせてたあたしに近づいてくる。
「に、逃げられた……」
「はあ!? いつものことじゃん」
「違う!毎日一緒に帰る約束してたのに……」
言ってて悲しくなった。
昨日だって、『明日も一緒に帰ろうな』って笑って言ってくれたもん。
なのに何で!?
さっきのメールは誰から!?
「ま、いいじゃん。今日はあたしが一緒に帰ってやるからさ……」
そう言って激しく落ち込むあたしの腕を引っ張りながら、すたすたと歩いて行く朋歌に続いて廊下に出る。
そこにもやっぱり怜二の姿は微塵もなくて。
冗談じゃなく、マジで逃げられたんだって思った。
ちょっぴり怜二の意地悪的なものかも?って期待してたあたしの心が、ズドーンと音を立てて落ちていく。
「メール…、誰からだったんだろ……」
眉をしかめた怜二の顔が頭に浮かんでぽつりと漏らすと、
「あっははー。昔の女だったりして?」
明かにこの状況を楽しんでる朋歌の声がして、その内容にドクンと心臓が波打った。
嘘……、まさかだよね……?
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