【続】ギャップ的恋愛論
そんな甘い雰囲気に酔いしれていたあたしの耳に、
キーンコーンカーン―-……
再びチャイムの音が届く。
これは1時間目の開始を告げるチャイム。
授業行かなきゃ………でも…
「離れたく……ないよ…」
まだ続いているキスの合間にあたしが呟くと、
「同感……」
怜二の色っぽい声が返ってくる。
このまま一緒に居たい……
〜〜〜♪〜〜♪〜〜♪
そんな甘い気持ちが高ぶってきた時、さらに雰囲気をぶち壊す着メロが、あたしのポケットから鳴り響いた。
“渡る世間は鬼ばかり”のテーマ曲。
これは、朋歌からのメール受信音。
これも無視!無視!
そう決め込んだあたしの腕を、自分の首から剥がしながら、苦笑する怜二。
「おい……電話……」
「いいの、誰からかわかってるし……
メールだし……」
「っていうか、寒いだろ?
体が冷えてる……」
言いながら、いたわるように背中をさすってくれる怜二の手があったかい。
そういえば、ここは学校で、しかもちょっと薄暗い階段。
屋上へと出るドアからは、たまにすきま風が………
「さむっ…!」
我に返ったあたしを急に寒気が襲ってきて、身震いが出た。
「病み上がりには、きっつい場所だよな…… ほらっ、教室帰るぞ」
そういえばそうだった。
あたし、昨日まで熱出してたんだった。
言われて気づくなんて、あたしってば相当アホだと思うけど、渋々怜二の首に回していた腕を外し、変わりに自分に巻きつける。
………うっ……さ、寒い……
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