【続】ギャップ的恋愛論
「………は??」
目が点って、きっとこういう顔を言うんだろうな。
アーモンド形の綺麗な瞳が、今は真ん丸になってこちらをガン見してる。
ついでに口も真ん丸。
なんだか埴輪みたい……
「だからね… 洗濯とか掃除とか料理とか…」
「通い妻の意味くらいわかってるわよっ!」
あ、また三角になっちゃった……
あたしの言葉を遮った朋歌は、口をへの字にしてなおも声を荒げた。
「じゃなくて、なんでいきなりそんな話になるわけっ」
「ええっと… なんかね、お金に困ってるらしくて……」
「誰が?」
「怜二が」
あんまり人に聞かれるのはよくないと思って、小声で話すあたしとは対称的に、朋歌の声はどんどん大きくなる。
「はぁ??? アイツのどこがお金にフガガガ…」
「声大きいからっ」
口を塞がれた朋歌から、今にも蛇と化した髪の毛が襲ってきそうな勢いだけど、ここで怖じけづいてたら怜二の名誉に関わってしまう。
「ナイーブな話だから、なるべく小さな声で……」
そう懇願してそっと朋歌の口から手を離すと、それはそれは盛大な舌打ちをされてしまった。
うわ〜ん 恐すぎる〜〜!
`