【続】ギャップ的恋愛論





完全に体が固まるあたし。




そんなあたしの肩をぐらぐら揺らしながら、なおも言葉を続ける朋歌。




「ちょっとぉ、なに黙ってんのよ? (ピー!)とかさ…(ピー!)を(ピー!)したり、アンタに出来るわけ?」




この人、なんですか?



何者ですか?



ヤクザですか?




「あのさ……場所をわきまえ…」



「人に説教垂れる前に、白黒はっきり言いなさいよ。
神木とHする覚悟は?ある?なし?」





うわぁぁんっ!! 間違いなくヤクザですぅぅぅ!!!




ぐらぐら揺れるあたしの頭。




エクステが、どんどん絡まっていってる気がする。





「あります、あります。 もちろん覚悟は充分あります」




早口で答えると、一瞬朋歌の腕の力が緩んだ。




もちろんそのまま解放してくれるのかと思いきや……





「ほっほう……」





さらにきつい揺さぶりが戻ってきた。





「エロビデオ見ただけで失神したアンタが? あの神木と?
間違いなくアイツは相当ヤってきてるよ?」



「……ううっ…」




痛い所を2つも突かれて、言葉に詰まる。




そう、朋歌の言う通り、あたしはその手のビデオを見て気を失ったことがある。




朋歌の家に泊まりに行った時、お姉さんの優歌さんが彼氏の家から没収してきたというエロビデオ―――



“実録☆女子高生の情事”




たしかそんな題名だったような……





驚愕の画像を見て、2人は『へーはーほー』なんて感心してたけど、あたしはもうあまりの衝撃でクラクラ……




そのまま失神したんだよね。






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