【続】ギャップ的恋愛論
「あたし達がパパとママに……?」
あたしがママ似なのは認めるけど、怜二はちっとも似てないのに。
怜二が日本人離れした顔立ちをしているのに対して、黒髪に漆黒の瞳を持つ写真の中のパパは、どこかオリエンタルな顔立ちをしている。
どちらかと言うと、パパと真鍋先輩、凌ちゃんと怜二の方が似てると思うんだけど……
と言っても、凌ちゃんは真鍋先輩を知らないし、言ってもしょうがない話だけど。
「最初に怜二を見かけた時、正直ドキッとした。
見た目は違うけど、オーラっていうのかな…… 雰囲気が似てたんだよ、柾に……」
「オーラ?」
「こう手負いの狼みたいな鋭い眼光を持ちながら……、それでいて人を惹きつけて止まない、特別なオーラみたいな……
乙葉は感じなかったか?」
鋭い眼光……
人を惹きつけるオーラ……
「言われてみれば……」
初めて素顔の怜二と話した時のことを思い出した。
突き放すようにさっさと立ち去ろうとする怜二を、あたしが必死になって引き止めたんだよね……
あの瞬間、まさにあたしは怜二に惹かれてたんだ……
「な?俺が言いたいこと、わかるだろ?」
「うん… わかるよ」
「そう考えると、お前達が互いに惹かれ合ったのは、必然だったのかもな……」
「そう、なのかな……」
必然か……
凌ちゃん、そういう風に見ててくれたんだ……?
なんかすごく、認められたみたいで嬉しいかも……
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