【続】ギャップ的恋愛論
身近な人に認められるのって、こんなに力強いものなんだね。
ましてや凌ちゃんは、職業上いろんな人を見てきてるから、かなり見る目があると思うんだ。
そんな人に、
怜二とお前は惹かれ合って当然、みたいに言われて、嬉しくないはずがない。
「凌ちゃん……」
「だからって、認めたわけじゃないぞ」
あたしが、ありがとう、と続けようとしたら、真顔になった凌ちゃんは、あたしの頭を小突きながらそんなことを言った。
「えっ??」
「人を惹きつけるってことは、逆に言えば、誘惑が多いってことだ。
そんな宙ぶらりんな奴に、大事な乙葉を任せられるか」
「……え…ええっ…!?」
なにこの逆風。
「怜二は宙ぶらりんなんかじゃっ…」
「いーや。アイツは宙ぶらりんな、宙 ぶら太だ」
はい〜〜〜???
「現に、店に何回か女が追っかけてきた」
「なに、それ……」
「前のバイト先でのお客さんなんだと……
聞いてないのか?」
あたしの顔を覗き込む凌ちゃんの目が、してやったりと、鈍く光った気がする。
な、なんか……
超ムカつくぅぅぅ!
「そんなの、彼女のあたしからしたら、どうでもいい話だしっ!」
「ほお…、なかなか言うじゃねぇか…」
「ま、まあね。信じ合ってるもん…あたし達……」
かなり願望が入っちゃってるけど……
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