【続】ギャップ的恋愛論
口では意気がってみせたけど、まさかこんなに反対されるとは思ってなかったから、実は結構ショックだった。
宙 ぶら太とか、わけのわかんない呼び名まで付けてくれちゃってさ……
さっきからほったらかしになったままの人参を転がしながら、あたしは口を尖らせる。
その横で、面白くなさ気に何か考え事をしている凌ちゃん。
今にも『怜二絡みなら、料理も教えねぇ』とか言い出しそうな雰囲気が……
「しかしだ、料理は教えてやるから安心しろ……」
「ホント!?」
「ああ、いつかは乙葉も嫁に行くわけだしな……
早いうちから練習しとく方がいいだろう」
「よ、嫁だなんて…… やっだぁ、凌ちゃんったら!」
怜二の奥さん、か……
ふふふっ
そしたらあたしは……神木…乙葉……?
ぐふっ、ぐふふふっ
「おい、誤解はするな。
相手は怜二じゃないぞ。厳選に厳選を重ねた男を、俺がいつか見つけてやる」
「……へ?」
「将来はすべて俺に任せておけ」
「なに言って……」
「さ、油売ってないでさっさとカレー作るぞ。もう少しで腹ぺこ杏奈が帰ってくる時間だ」
「え、ちょっと待ってよ!
なに勝手に…」
「ああ、それから、別に無理矢理別れさせるような無粋な真似はしないから安心しろ。
人は反対される程燃えるからな」
「なっ……!?」
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