【続】ギャップ的恋愛論
っていうより、もしかして、ケンカ売られてんのか……?
ルイの真意が読めなくて、店から持ってきた紅茶を飲んでるルイをじろじろ観察した。
長い睫毛を伏せて、わざわざ自分用にと置いてるティーカップを傾けてるルイ。
その様子は、興奮気味でもなく、いたって普通。
すべてにおいて、優雅というか、ゆったり気ままな感じがして、思わず興奮してしまったこっちがバカみたいに感じる。
落ち着け、俺。
元はこんなキャラじゃねぇだろ?
冷静に、冷静に……
「アイツが何を言ったかしんねぇけど、俺は別れる気はさらさらねぇよ」
「ふーん、そっか…
じゃあ、僕の入る隙はないんだね?」
………はっ??
「なに言って…」
「僕さ、人のだと思えば思うほど燃えちゃうタイプなんだよね……
そうそう、乙葉ちゃんみたいに自分を偽ってる子の化けの皮を剥ぐのも、ゲームみたいで結構好きなんだ」
なっ…!?ゲームだとっ!!
「いい加減にしろよ!さっきからわけわかんねぇこと言いやがって!
乙葉は俺のだ。
お前になんかやんねぇよ!」
冷静にと努めたはずなのに、最後は熱の篭ったセリフを吐きながら、俺は休憩室を後にした。
『乙葉は俺のだ』
我に返ってよく考えたら、なんて独占欲丸出しなこと言っちまったんだろう……
ガキか、俺は……
そのままトイレに飛び込んで、火照った顔をバシャバシャ洗った。
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