【続】ギャップ的恋愛論
あたしがその視線に気づいたのは、それから数秒後だった。
チク……チクチク…
………な、なにっ???
背後に感じる異様な空気。
それに恐る恐る振り返ったあたしが見たモノ、
それは−−−
………うぎゃっ!?
雌豹達(いえ、お客様です!)の鋭い目!目!目!
“なんなのあの娘!”
“あたしの怜二に何してくれてんの!”
“早く離れなさいよね!”
目は口ほどに物を言うって言うけど、この時ばかりは口以上だと思えたあたし。
「……離して」
小声で訴えながら、怜二から無理矢理自分の手を引っぺがそうともがく。
だけど、
「あ゙?」
不機嫌な怜二にあたしが敵うわけもなく、さらにグイッと強く握られてしまった。
「ちょ、ちょっと、マズイって」
「一体何やったんだよ?」
「……だから、マズイって」
「なんかマズイことしたのか?」
ああ、うん。
マズイ料理作っちゃって……
じゃなくて!
噛み合ってるようで全く噛み合ってない会話に、あたしは必死で目で訴えた。
おもいっきり注目されてるからっ!
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