【続】ギャップ的恋愛論
そう何を隠そう今から始まる上映会とは、アダルトビデオの上映会で。
ん?違うな、アダルトDVDで。
………なんてことはどうでもいいんだけども。
昨日のバスの中で無理矢理約束させられた話を、これまた無理矢理実行させられかけてるってわけ。
「晋ちゃんがアンタのために選びに選んだもんなんだからね。
心して見るように」
さすが有言実行をモットーとする女。
意気揚々とDVDをセットし始めた朋歌の背中を見つめながら、あたしは半分感心して、半分呆れた。
「……よしっと」
「ねぇ、ホントに見なきゃ…」
「ダメ。 晋ちゃんの苦労を無駄にする気?」
いやいやそんな風に言われましても、端(はな)っからあたしが頼んだわけじゃないですし……
「とにかくよ、アンタはHに関しちゃ耳の知識ばかりが発達して、視覚は全く未発達なんだから。
コレを見て、しっかり予習しなさい」
こちらを真っすぐ見据えてくる朋歌の目が、お前にゃ拒否権なんてねぇんだよ!と訴え?脅して?くるから、
あたしは渋々、ホントに渋々、マジで渋々(あ、しつこい?)、
コクリと頷いた。
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