【続】ギャップ的恋愛論
それから30分後−−−
〜〜♪〜♪〜〜♪
散々あたしをストレッチ地獄へと突き落とした鬼教官・朋歌が、
「ごめん、乙葉。今日は泊まるって言ってたけど、晋ちゃん家がみんな居ないらしくてさ。あたし晋ちゃんとこ行くから♪」
メールを受信したケータイを見るなり、突然可愛いらしい女へと豹変した。
「……へ…!?…ああ、うん」
「じゃあ、帰るね」
どこかホクホクした様子でバッグを振りながら帰ろうとする背中にア然となる。
「……って、ちょっと待って」
あたしも慌ててあとを追いかけた。
「ホンっト、ごめんね!まだ途中だったのに帰るなんて……」
玄関で大人っぽいロングブーツをはきながら、長い髪をかき上げた朋歌が言う。
い、色っぽい……
しかも口調まで変わってるし……
見慣れてるはずの親友の顔なのに、あたしはちょっとドキドキしてしまった。
「ううん、十分だよ。あたしのことは気にせずに先輩とラブラブしておいでよ」
っつうか、『まだ途中』とか、本気で怖いし。
「うん、ありがと。実はあんなビデオ見ちゃったから体がムズムズしてたんだよね。
晋ちゃん家で思いっきり発散してくるわ」
綺麗な笑顔でなにげにすごいことを言うと、急に何か思い出したようにバッグをごそごそ漁りだす朋歌。
そして、体の痛みで不自然に腰を曲げてるあたしに、「はい」と何やらビニール袋を手渡した。
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