後向きの向日葵
カヤさんは偶然にも1年間だけ、穂積さんと一緒に働いたことがあった。
彼女の働いていた職場へ、偶然、穂積さんが配属されたのだ。
それがきっかけとなって雨ちゃんと、カヤさんは、卒業後も腐れ縁となっていくのだった。
妹分と言っては穂積さんも、カヤさんを、随分と可愛がっていた。
雨ちゃんは雨ちゃんで、その縁を喜んでいたのだった。
ただ、今日の雨ちゃんは様子が違った。何だか表情にどうも、含みがあるのだ。
そして、とうとう、一方的にこう切り出して来たのだ。
「カヤさん・・・カヤさんねー。あの子はホラ、ね・・・。」
「え?なぁに?」
敢えてもったいぶるので、更に尋ねてしまう私がいた。
やや鼻で笑う感じで、雨ちゃんは、声を低めて語り出す。
「うん。ダンナと一緒に働いていた頃、カヤさんはおかしかったのよねー。」
どことなく批判めいた響きは、続く。
「あの子ね、その頃・・・。男性社員たちからはヤリ子って、そんなふうに言われていたのよ。」
「え?なに、それ・・・?」
「うん。こう・・・とっかえひっかえな感じでね、というか、すぐにさせちゃうわけよ。」
その瞬間、雨ちゃんの目の奥が光った。
私は、カヤさんの抱える驚きの新事実よりも、雨ちゃんの見せた、この何気ない仕草に寒気を覚えた。
雨ちゃん、どうしたのだろう・・・。
友達の悪い噂について何故、そんな表情をするのだろう?
・・・今まで、そんなところが無かっただけに私は、雨ちゃんの態度に生じている、ギャップが妙に気にかかったのだ。
彼女の働いていた職場へ、偶然、穂積さんが配属されたのだ。
それがきっかけとなって雨ちゃんと、カヤさんは、卒業後も腐れ縁となっていくのだった。
妹分と言っては穂積さんも、カヤさんを、随分と可愛がっていた。
雨ちゃんは雨ちゃんで、その縁を喜んでいたのだった。
ただ、今日の雨ちゃんは様子が違った。何だか表情にどうも、含みがあるのだ。
そして、とうとう、一方的にこう切り出して来たのだ。
「カヤさん・・・カヤさんねー。あの子はホラ、ね・・・。」
「え?なぁに?」
敢えてもったいぶるので、更に尋ねてしまう私がいた。
やや鼻で笑う感じで、雨ちゃんは、声を低めて語り出す。
「うん。ダンナと一緒に働いていた頃、カヤさんはおかしかったのよねー。」
どことなく批判めいた響きは、続く。
「あの子ね、その頃・・・。男性社員たちからはヤリ子って、そんなふうに言われていたのよ。」
「え?なに、それ・・・?」
「うん。こう・・・とっかえひっかえな感じでね、というか、すぐにさせちゃうわけよ。」
その瞬間、雨ちゃんの目の奥が光った。
私は、カヤさんの抱える驚きの新事実よりも、雨ちゃんの見せた、この何気ない仕草に寒気を覚えた。
雨ちゃん、どうしたのだろう・・・。
友達の悪い噂について何故、そんな表情をするのだろう?
・・・今まで、そんなところが無かっただけに私は、雨ちゃんの態度に生じている、ギャップが妙に気にかかったのだ。