後向きの向日葵
暫くして、ユムランが会社に出てこなくなった。
ユムランとは部署が違えば、勤務先も離れていたから、私には、今イチ事態が飲み込めない。
それでもようやく連絡が繋がって、彼女と私は、久しぶりに会うことになったのだ。
当日は、あっという間に訪れた。休日のユムランは、むしろ元気そうだった。
しかし、もちろん、話題が本題に触れれば、今度は、酷く口ごもるのであった。
そうなってしまいがちでも一度、話し始めてみれば、その後はするすると続くものだ。
そして、聞くところによると彼女は職場で、嫌がらせを受けていたのだ。
それは、例えば、こんなことだった。
同じ係の先輩に頼まれて、ある部屋の掃除を行う。
間もなくして外からは、ユムランを探す、複数の声が始まると言う。
そこで彼女が顔を出すと、何故だか彼らから、「どこに行っていたんだ?何をしているんだ?」と、無闇に叱られることになるのだ。
そこへ、掃除を頼んだ先輩が通りすがるとしよう。すると、その先輩はこう言う。
「湯村さん、どこに行っていたの!」
「もう!いくら探したって、いやしないんだから!」
つまりは、先輩自らが部屋に誘導したことについては、その時も、そして、いつになっても絶対に語られることはないのである。
結局のところ、ユムランは自分で勝手に部屋を出た上で、勝手にそこにいたことになるしかない。
そんなことがもう何ヶ月も、続いていると言うのだ。
そして、こうした事態が起こるにあたって、自分でも、一つだけ心当たりがあると言う。
それが、課内のレクリエーション活動にあたるのだ。
先に説明をしておくと彼女の配属された課では、大人数であることも由来して、何世代も前から20代~30代の人間たちが集まって、スポーツや食事を楽しむ風土があったわけなのだ。
それはグループとなって組織化し、代々、メンバーは引き継がれていくのだった。
入会条件を満たしていた彼女は当然ながら、バーベキュー等のイベントにも呼ばれたのだ。
かわいい女子の新人が来たとあって、グループ側のお誘いも、いつになく精力的だったとも言う。
――もちろん、ここは本人談ではなく、風の噂によるものである。――
ユムランとは部署が違えば、勤務先も離れていたから、私には、今イチ事態が飲み込めない。
それでもようやく連絡が繋がって、彼女と私は、久しぶりに会うことになったのだ。
当日は、あっという間に訪れた。休日のユムランは、むしろ元気そうだった。
しかし、もちろん、話題が本題に触れれば、今度は、酷く口ごもるのであった。
そうなってしまいがちでも一度、話し始めてみれば、その後はするすると続くものだ。
そして、聞くところによると彼女は職場で、嫌がらせを受けていたのだ。
それは、例えば、こんなことだった。
同じ係の先輩に頼まれて、ある部屋の掃除を行う。
間もなくして外からは、ユムランを探す、複数の声が始まると言う。
そこで彼女が顔を出すと、何故だか彼らから、「どこに行っていたんだ?何をしているんだ?」と、無闇に叱られることになるのだ。
そこへ、掃除を頼んだ先輩が通りすがるとしよう。すると、その先輩はこう言う。
「湯村さん、どこに行っていたの!」
「もう!いくら探したって、いやしないんだから!」
つまりは、先輩自らが部屋に誘導したことについては、その時も、そして、いつになっても絶対に語られることはないのである。
結局のところ、ユムランは自分で勝手に部屋を出た上で、勝手にそこにいたことになるしかない。
そんなことがもう何ヶ月も、続いていると言うのだ。
そして、こうした事態が起こるにあたって、自分でも、一つだけ心当たりがあると言う。
それが、課内のレクリエーション活動にあたるのだ。
先に説明をしておくと彼女の配属された課では、大人数であることも由来して、何世代も前から20代~30代の人間たちが集まって、スポーツや食事を楽しむ風土があったわけなのだ。
それはグループとなって組織化し、代々、メンバーは引き継がれていくのだった。
入会条件を満たしていた彼女は当然ながら、バーベキュー等のイベントにも呼ばれたのだ。
かわいい女子の新人が来たとあって、グループ側のお誘いも、いつになく精力的だったとも言う。
――もちろん、ここは本人談ではなく、風の噂によるものである。――