後向きの向日葵
尾木君は体の関係での困りごとやら何やら、プライベートな話題をことごとく、この人たちに向かって相談し続けていた。
そのことが彼には武勇伝で済み、やがて、私には汚点となっていく中でも、彼は、気にするなの一点張りだった。
私は、我慢に我慢を重ねてみた。尾木君はいたけれど、いないも同然だった。
「俺の軽率な行動が、そんな影響を与えていたのか・・・。ごめん。」
彼は、その一言の僅かも出ない人だった。
・・・もう、たった一人で背負うのは限界だった。

「私、思うんだ・・・。私は、尾木君ではなく尾木君という媒体を通して、尾木君と私のデートに助言を与え続けていた、先輩たちの配慮にエスコートされていたのかもね!」
すると、彼はすぐに怒った。
「何をぅ、お前!先輩たちは言ったぞ!お前みたいに女からは好かれなくても、男友達の多いタイプはイイ奴だって!」
「・・・・・。」
だから、もう一度、私は言った。
「だからね、“私も、尾木君も”、エスコートされていたんだよ。」
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