Blue Book
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今日は少し、学校へつくのが遅れた。
ずり下がったカバンのストラップを肩にかけ直す。
教室に近付くと、あのグループの大きな笑い声が聞こえてきた。
ねー。
なんか、何考えてるかわかんないしさー。
会話の途中途中に私の名前が聞こえてくる。
一体、私がなにをしたというのだ。
いつもなら、気付かないふりをしてドアをあけるのに、今日は立ち止まってしまった。
どう思うー?
「私?」
彼女の声だった。
隠れるようにドアから離れると、リノリウムの廊下に、私がぼやーとうつっているのが見える。
「私は――」