Blue Book
鬼ごっこしてるみたい。

私は麦藁帽子をかぶり、ゴムの部分を指で弄びながら窓に近寄る。

イスを見つけたので、静かに持ち上げると窓辺に置いて座わった。

カーテンは途中から外れ、だらんと垂れていて、全く使われていないんだな、と改めて思う。

使わないから、と確かめず、ここの鍵を閉め忘れていることにも気が付かない先生達。

ちゃんと確認しないとダメなんですよー。

パチン!

調子に乗りすぎてバチが当たったのか、無意識のうちに弄んでいたゴムが首に跳ねてきた。

「いったぁ」

誰もいないことをいいことに麦藁帽子を黒板に投げつける。

いつの間にか落ち着いている自分に気付き、1つ溜め息を漏らした。
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