悲恋~歌姫HARUHI~
「お願いがあるの。
ちょっと通ってほしいとこがあるんだ。」


ヒロの家の前を通ってもらいたかった。



きっとロケに出てるかな。
家にいるのかな・・・・



最後に一目だけ・・・・
叶わぬ夢を・・・・・


右折した時
ちょうど車がヒロの家から出てきた。


身を乗り出して
私は運転席を必死に見た。


ヒロ・・・・


一瞬だけだけどすれ違った
あの大好きだった
横顔を胸に刻む・・・・


「春妃・・・おまえさ~」


「片想いなんだ。
絶対叶わない片想い・・・・・
わらってやって~~子どもとしか
思われてないんだから。」

仮面の効力は消えて
私はスタッフの前でも
こらえきれなかった。



「バカだな~我慢してたのか?
泣いていいぞ」

スタッフの声が胸につく・・・・・


「ありがと、これで最後・・・・・」


顔を覆って空港まで
私は泣き続けた・・・・・・。


やっぱり愛してる・・・・・
< 100 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop