悲恋~歌姫HARUHI~
「おなかすいた~
なんか食べるものあるかな。」
下へ降りて行くと
リビングでアイスを食べていた
麻妃と目が合った。
「麻妃、何味?」
「バニラ・・・」思わず答えてしまったようで
麻妃は慌てて目をそらした。
「え~いいな~」
冷凍庫には抹茶とチョコしかない。
私は麻妃の隣に行って
「あ~~~~ん」と口を開けた。
麻妃は一瞬ためらったが
私の口にアイスを入れてくれた。
うれしくて
私は思わず麻妃を抱きしめた。
「あんがと~」
そして呆気にとられている
麻妃をもう一度抱きしめて
「ごめんね・・・・」と言えた。
母がキッチンから
「春妃~~~違う種類ならバニラあるよ~」
と叫んだ。
「大丈夫、麻妃が少しくれたの。」
私はそう答えた。