悲恋~歌姫HARUHI~
「それじゃ、行ってきます。
なんか今日嫌な感じ~
みんなに見送られるなんて・・・
気持ち悪いじゃん?」


「たまたまだよ~
今日はパパは仕事休みなんだからさ。」



「あ、そっか~」
私の最後に家族に見せる笑顔は
仮面が必死に頑張ってくれた。


ココロの中では
ごめんなさい・・・そう叫んでいる。



「いってきます。」


何度も振り向いて手を振った。



「早く帰ってきてね~」


麻妃が走ってきて私に
抱きついた。


「うん、麻妃、
いっぱい遊ぼうね~」


「待ってるよ。」


最後の日になるって知ってるわけじゃないのに
家族ってなんか不思議だな・・・


小さくなる我家を見ながら
涙が出た。


スタッフが
「春妃?なんかもう会えないみたいじゃん。」


「ほんとだね。」
私はケラケラ笑った。
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