黒猫眠り姫〔上〕[完]

「桐？」

「鈴はいいの。」

「なんか、収拾がつかねー」

「ご飯出来たよ。」

「はーい。食べよう桐？」

「何か自己中というかなんと言うか、

お前らそろいも揃って自由すぎだろ。」

「湊、醤油取って。」

「うん。」

「なんか、置いてきぼり。」

「桐食べないの？」

「食べるよー」

「今の棒読みだったよ。」

「鈴。今のは、鈴の想像世界の俺だから。」

「湊、明日桐を病院つれていってあげないと。」

「そうだね。」

「いいから。俺至って普通よ。」

「本当に？苦し紛れとかじゃない？」

「じゃねーよ。」

「ふーん。」

「何だよ。」

「何でも。」

「そういえば、鈴って冗談いえたんだな。」

「冗談？私いつ冗談言った？」

「駄目だこりゃ。」

いつものように弾んだ会話は、楽しくて、

嬉しかった。ご飯中、湊はずっと笑っていて、

昨日のこともどうでもよくなったってぐらい

普通だった。