黒猫眠り姫〔上〕[完]

「じゃ行こうぜ!!」

「でも、泳いだりするの?」

「そりゃもちろん。そっか、鈴水着ねぇか?」

「うん。海初めて。」

「鈴、海初めてなんだね。」

「ということで、鈴の水着探しも行こうぜ!!」

「桐。」

「なんだよ。湊?」

「殴っていい?」

「ひー。」

「蹴っていい?」

「ひーや、鈴たすけ」

ドカッ。衝撃的な湊の蹴りは桐にヒットした。

「痛っ。」

「でも、買い物したいな。」

「鈴?」

「あんまり服とかないし、水着もたしかにない。」

「鈴!そうだよなー。お兄さん欲しいもの何でも

買ってあげるよ。」

「桐。キモい。」

「ひー」

「まぁ、いっか。明後日にでも行くか。」

「行く。」

「ってやべー。もう10時かよ。」

「桐帰るの?」

「おお。」

「そっか。またね。」

「おん。じゃ、また明日くるわ。」

「うん。」

バタンとしまったドアを見た後、

湊は、ニコッと笑っていた。
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