黒猫眠り姫〔上〕[完]
「だから、最近は眠くないんだけど、
授業中の空間が耐えられなくてね、寝たふり。」
「そうなんだ。」
「一番後ろだし。先生にはばれないよ。
ばれたとしても、別に怖くないし。」
「なんか、鈴かっけーすぎ。」
「そうかな?」
「うん。」
「桐、トイレ何処?」
「あ、あそこの奥のとこだ。」
「ありがとう。」
「気い付けろ。」
「うん。」
トイレに無事つき、湊のところに戻ろう
そう思ったときには、一人の女の人が立っていた。
その人はどこかで会ったような人で、
はっと気づくと腕を引かれて外に連れて行かれた。
もちろん湊や桐にバレないように。
片手にはお酒の入ったボトル。
もう片手に私の手。
「あんた、ほんとに懲りないわね。」
「・・・・・・・・・」
「何様のつもりよ。あんた目障り。
桐の周りでうろついてるんじゃないわよ。」
「・・・・・・・・・・」
「何よ。黙って。あんたも最低よ。桐は、
あんたなんか相手にもしてないわ。とっとと
いなくなってよ。」
「・・・・・・・・・・・」
「あんたも最低だけど、桐も最低。
この前だって私の気持ちも知らないで。
最低。なんで、他の女ばかり見るのよ。」
「・・き・り・・・は、・さい・・て・いじゃ・ない。」