黒猫眠り姫〔上〕[完]
「資格?何それ。」
「優しくして欲しくない・・。」
「へー趣味的な。」
「違う。」
「即答か。」
「とにかく、気にせずお店に入ったらどうです?」
「そんなこと出来るわけないでしょ。」
「何で?」
「あんたが良くても、他のやつらは?」
「他?」
「あんた、一人でこのお店来たの?」
「・・・・・・・・・・」
「あんた、自分のことで忘れてたの?」
「・・・さっきから・・あんたって、礼儀なさすぎ
私が何したってあなたには関係ないでしょ。」
「じゃ、名前。鈴だっけ?」
「はっ?何で、知ってるの?」
「なんとなく?」
「なんとなくって意味分かんないから。」
「じゃ何?」
「もう、関わんないで下さい。」
「何で?」
「空気読めないんですか?」
「何それ?」
「えっ、時代遅れ?」
「なんか良かった。」
「何が?」
「さっきよりもだいぶ落ち着いた?」
「落ち着くわけない。余計頭がぐしゃぐしゃ。」
「ぐしゃぐしゃねぇー」
「だから、ここから去ってください。」