黒猫眠り姫〔上〕[完]

そうしたら、湊が布団を捲ってきた。

「~寒ーい。湊布団。」

「だって鈴顔隠すでしょ?」

「でも、寒いよ。湊は布団かかってる

けど、私かかってないんだよ。」

「じゃ、顔隠さないでよ。鈴の顔

見たいから、見せて。」

「うぅーわかった。だから、布団。」

「本当に?」

「うん。」

「わかった。じゃ、返すね。」

「温かい。」

「ごめんね。ついむきになって。」

「いいよ。私の言い方が悪いから。」

「じゃ、おあいこってことでいいよね。」

「うん。」

「鈴は、明日帰るの?」

「うん。でもまた来るよ。」

「んーじゃ、ちょっと待ってて。」

「何?どうしたの?」

湊は、ベットから出ると机から何か取り

戻ってきた。

「鍵。いつでも入ってきていいから、

たぶん、家にいると思うけど、散歩に

行ってたらのこと考えて、外で待つのは

よくないでしょ?」

「・・ありがとう。本当に来ていいの?」

「うん。来てくれると嬉しいよ。いっその事

ここに住んでくれてもいいから。」

「うん。少し考える。」

そういうと、頭を優しく撫でるご主人様。




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