黒猫眠り姫〔上〕[完]
「鈴?」
「・・何どうした?」
「鈴、ぼっーとしてる。」
「うん。なんか眠くなった。湊は眠く
ないの?」
「そうだね、さすがにもう3時だし、
寝よっか。」
「・・・zzzz。」
「もう寝てるんだね。」
そう言って、優しく頭を撫でて湊が
眠りについたことは私は知らない。
どこか、ぬくもりを感じ目を覚ます。
午前10時すぎ目を覚ますといいにおい
がしてきた。隣にいるはずのご主人様は
いない。
「鈴起きてたんだ。おはよう。
今起こそうかと思ってたところ。
ご飯できたけど食べる?」
「おはよう。今起きた。」
「そっか。なんだ。」
「ご飯食べる。」
「じゃ、ご飯食べよっか。」
湊は、ふわりとした茶髪の髪に寝癖を
つけて眠そうな顔でご飯を食べている。
今気付いたが湊は、デスクでパソコンを
いじる時以外は眼鏡を外していて顔は
この世のものとは思えないぐらい綺麗
な顔をしている。普通な女の子なら
惚れてしまうだろう。でも、そうではない
自分はほかの人から見たら変人なのだろうか。
「~りーん?話聞いてる??」
「あっ、ごめん。何??」
「ううん。たいしたことはないよ。
ただ、鈴ぼーっとしてるから心配になってね。」
「・・ごめん。」
「そういえば、学校行かないの?
って言ってももう遅いかな?」
そう言って苦笑いをする湊を見つめた。