黒猫眠り姫〔上〕[完]

「信じてるよ。鈴のこと信じてる。」

泣きながら、自分の弱さと戦う鈴が、

どうしようもないほど可愛いと思った。

「それだったら・・強くなれる。」

「うん。」

「湊っ。悲しくなったらね、今みたいに

ぎゅってしってもらっていい?」

「ふは。いいよ。」

鈴の猫毛な髪を撫でる。

「後ね、湊に頭撫でてもらうの好きだからね

頭もたまに撫でて欲しい。」

「はは。そんなことなら、いつだって撫でるよ。」

「湊が、寂しい時は私がいるからね。

私ばっかりもやだからね。」

「うん。その時は、鈴に助けてもらうね。」

「うん。まかして。」

「桐には、言える?」

「・・うん。桐に見放されてもいい。

桐は、大切な友達だから絶対に自分の

口から言いたいの。」

「そっか。よく頑張って出したね。

それが、鈴の答えだね。」

「うん。心配かけたかな。

でもね、湊がいなかったらね、ここまで

思いもしなかった。湊が、私に答えを

見つけさせてくれたんだよ。」

「・・何にもしてないよ?」

「湊の言葉がなかったら今も、

自分のことばかり責めてた。

それで、気づかなかった。

自分ばかりで相手の考えも、

否定することになって悪循環。

湊ありがとう。」

「・・気づいたとがいいことなんだよ。

それは、鈴が気づいたことなんだから。」

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