黒猫眠り姫〔上〕[完]
「何?顔になんかついてる?」
頭をかしげて心配そうに見つめる湊に
なぜか自分も心配になった。
「なんでもないよ。今日は、学校
休み。そういえば、なんで学校行ってるって
わかったの?教えてない。」
「ん~なんとなく。」
そう言うと、にこりと笑う湊にドッキリと
した。
「そういえば、鈴はいくつなの?」
「・・17。」
「へぇ~じゃ高2?」
返事の代わりに頭を縦に振る。
「あんまり歳変わんないってことだね。」
「5歳違い。」
「そんなもんか。」
それから少し経つと、湊は、仕事といい
デスクに座ってパソコンとにらめっこ
状態になっていた。
あたしはというと食器を片して、部屋に
戻り外を眺めた。昨日とは全くもって天気は
違い、洗濯日和の天気の良さ。ぽかぽかが
気持よくソファにまるくなる。
眠さが襲い気付くと夢の世界に旅立っていた。
夕方にはまだ早い4時、散歩に行こうと言う
湊に起こされ只今散歩中。
「明日も休み?」
「うん。今日も居るね。」
「もちろん。居てくれると思ってたから。」
「そうなの?」
「うん。」
それから、湊の他愛ない話を聞いた。
隣の人のことだとか、小説のこと。
晩御飯は何にしようなど。湊が話を
やめることはなくずっと聞いていた。
たまにうなずいて。
なんだかそれが、自然すぎて落ち着く。