黒猫眠り姫〔上〕[完]
「まぁ、確かに鈴の無自覚さには哀れに思う
ところはあるけどね。今の鈴と湊は、男と女
って言うよりかは、飼い猫とご主人様みたいな。
ねぇ、言ってる意味わかるよな?」
「ふーん。」
「なんというかって感じですね。」
「でも、あれは湊も気の毒。」
「そうっすね。」
「「「鈴サディスト姫だ。」」」
「男としては、辛いものが・・・・」
「だから、湊はそんな変態じゃないからな。」
「確かに、自由すぎるけど女には興味なかった
からな。」
ーその頃の湊ー
「zzzzzzzz」
「・・zz」
眠さに負けてすでに夢の世界に旅立っていた。
「zzz・・湊、傍に居てね。」
湊はそんな鈴の寝言も聞いてるわけでもなく、
すでに眠りについて、桐が聞いていた。
「うわー、鈴可愛いこと言ってる。」
「おい、桐何してんだよ。服貸して。」
「あー今行く。」
バタンと閉まったドア。
もう深夜の2時を過ぎた頃、
静かな夜。
昨日よりも今日、君が大切だということに
気づいた。
まだ、出会って間もない。
それでも、確実に君に近づいている気が
するんだよ。
そう思って明日も君と一緒に過ごそう。