黒猫眠り姫〔上〕[完]
「湊、午後から、また行くな。」
「桐?話聞いてなかったの?」
「午後から出かけるんだけど。」
「じゃ、着いてく。」
「桐も?」
「何よ鈴。俺らの仲じゃないか。」
「桐。ウザい。」
「きっー。」
「あっ、もう行かなきゃ。じゃ、桐。
鈴のことよろしく。昼前には帰るから。」
「おお。行っといで。」
「また明日っす。」
「またな。」
「うん。じゃ、明日。」
ガチャリとドアが閉じられた。
「俺もそろそろ帰ります。」
「じゃ、俺も。」
「「鈴またな。」」
「うん。明日ね。」
「ねぇ、俺のこと忘れてない?」
「えっ?」
「ひでーっしょ。」
尚、満の順に帰っていった。
「鈴と二人っきりじゃねーか。」
「桐、変なこと言わないでよ。」
「はいっ?」
「寝たりない。もう少し寝ていい?」
「おお。いいぞ。」
「じゃ、寝るね。」
ソファーに体を預けて眠りについた。
「ほんと、眠り姫だなーっおい。」
「zzzzzzz」
「可愛い顔して寝んじゃねーよ。」
頬杖を付きながら、鈴を見る。