黒猫眠り姫〔上〕[完]

「おなかすいた。」

「そうだね。早く頼もうか。」

そう言って、湊はメニューを広げる。

「俺決まった。」

といち早く決まったのは桐で、

もうウェイターさんを呼んでいた。

「鈴決まった?」

そう言って何気なく気にしてくれるのは

湊で、桐にも見習って欲しいと思った。

「ご注文はお決まりですか?」

ウェイターさんが尋ねてきた。

注文は桐が頼んでくれた。

「明日、どこ行く?」

桐がふと思い出したように聞く。

「どこがいいのかな?」

「鈴はさぁ、ここら辺来たことあるの?」

と湊が聞く。

「ううん。あまり出かけたことないから。」

「それじゃ、桐様が特別プランを立てよう。」

「ふふ。それじゃ、お願いします。」

「おお。まかせろ!!」

「桐が考えるとか不安だね。」

湊が冷たい眼差しで桐を見る。

「何だい。湊くん。何も心配せずとも

大丈夫さ。」

「私、思うんだけど桐は喋らない方が

モテると思う。」

「(ガーン0□0)」

「確かに。鈴ってよくわかってるね。」

「湊ひでーよ。」

ははっと笑う湊。

何だか納得いかない顔の桐。

そんな二人と一緒にいるのは私なんだ

と思った。

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