黒猫眠り姫〔上〕[完]
家に帰ると、湊が夕飯の準備をする。
それを、リビングのほうから眺める。
今日は、カレーライスと野菜たっぷり
スープ、サラダらしい。
そんな感じに夕飯の観察をしていると
チャイム音。どこか不安になった。
湊が外にいる人物を確認すると、
躊躇いながらも玄関のドアを開けた。
「よっ、昨日は寝てたわ。来れなくって
ごめんな。なんつって。」
やたらとテンションの高い男が入って
来た。
「お前、うるさい。」
笑顔が怖いですよ湊。そんな湊を気にも
せず話すところすごい。
「ん?誰?」
そう言って男は私に視線を向けた。
「ん?猫。」
「お前ついに頭いかれたか?」
「全然。桐よりバカじゃないから。」
「俺がいつバカになったんだよ!!」
「元から?」
なんか私のことを無視されているような
気がしたから桐とかいうやつを警戒しな
がらも止めに入る。