黒猫眠り姫〔上〕[完]
そして、タイミングよく届いたメニュー
で頼んだ品がテーブルに並びこまれた。
おいしそうな匂いが漂う。
もう、午後1時半。
おなかは空きすぎていつもよりも食べてしまう。
「そういえば、もうすぐテストなんだっけ?」
「(モグモグ)・・うん。」
「勉強だな。」
「少し勉強しなきゃ。」
「どこか行きたい大学でもあるの?」
「う~ん。まだ、とくに決めてないよ。
でも、大学は行きたい。」
「そっか。」
「やりたいこととかよくわかんない。」
「湊は大学は?」
「ああ。早めに卒業したんだ。」
「早め?」
「アメリカの大学行ってたから。」
「えっ。」
アメリカその言葉は心に響き渡る。
でも、戸惑いを隠して湊に聞いた。
「飛び級ってこと?」
「う~ん。そうかな。
向こうにはあんまり居なかったんだ。」
「へーそうなんだ。」
「でも、2年ぐらいは居たのかな。」
「すごいね。」
「そうでもないよ。」
「そうかな?桐は?」
「俺は、大学は行ってねーよ。」
「そうなの?」
「あんまり勉強好きじゃねーし。」
「ふーん。」