黒猫眠り姫〔上〕[完]
食べながらも他愛ない話を繰り広げて、
気がつくともう4時を過ぎた時間になって
いた。場所を移して家に戻ってきた。
「桐。そこにあるリモコン取って。」
「おおよ。」
「鈴なんか飲み物いる?」
「うん。でも、私やるからいい。」
「そう?」
「うん。湊は何がいい?」
「う~ん。アイスコーヒーかな。」
「分かった。作るね。桐は?」
「俺も湊と一緒で。」
「じゃ、ちょっと待ってて。」
キッチンに立ってグラスを三つ用意する。
冷蔵庫に入ったアイスコーヒーを注ぐ。
氷を付け足して、一つのグラスには
牛乳を付け足す。
ブラックはさすがに飲めない私の分だ。
両手に二人のアイスコーヒーを持って
リビングに向かう。
「持ってきたよ。」
「おお。サンキューな。」
「ありがとう、鈴。」
「二人はミルクなしでいいんだよね?」
「うん。」
「ああ。」
「明日、車でくればいいんだっけか?」
「あ、うん。」
「鈴は、迷子になんねーようにしろよ。」
「桐じゃないんだから大丈夫。」
「どうだか。」
「・・・見つけてくれるよね?」