黒猫眠り姫〔上〕[完]
「鈴。ご飯出来たから食べよう?」
「俺も食べる!!」
「お前の分はない。早急にお引取りをしろ。」
「いいじゃん。食べよう」
鈴の一言に湊は手を止めた。
「鈴?熱あるの??」
「ん?なんで?ないよ?早く食べよう。」
「湊早く食べようぜ」
食べながらも話は止まらずにいた。
それからも、湊が仕事をしているもの
だから桐とテレビを見ながら話す。
「鈴は湊の特別みたいだな。
あいつ最近はめっきり遊ばなくなって、
このまま誰ともつきあわないのかと
思ってたから、近くに女ができて
良かった。」
「女として見てないよ?
湊は、私のご主人様だよ?」
「いいんだよ。いつか変わるかも
しれねんだから。」
「・・それは無いと思うけど??」
「何で?」
「何でも。」
「でも、あいつのこと顔とかで見てない
だろ?だったら、そばにいてやってよ。」
「湊のこと知ってるの?」
その言葉を口にした途端、桐は少し苦笑い
で言った。