黒猫眠り姫〔上〕[完]
たまに桐も注文と言い、
よくおいしいと言って飲んだくれた。
「蜂蜜レモンだね。」
そう言ってマグカップをテーブル
に置く。
ソファーに二人して並んでテレビを
のんびりと見る。
湊が仕事で忙しかった最近は、
なかなかなかった。
だから、ちょっと嬉しかった。
休日の夜。
何気なく湊と一緒にテレビを見て、
これ誰とか言ってのんびり出来た。
普通過ぎるそれが案外なかったから、
嬉しさにほんわかした気持ちがあった。
その日は、いつもより早く寝ることになった。
もちろん提案をしたのは湊。
明日はお出かけということで早寝だ。
湊が歯磨きしている間にマグカップ
を片し、一緒に洗濯物を干す。
いつもは私のやることなんだけど、
今日は一緒にやろうと湊が言うもの
だから今日だけ手伝ってもらった。
洗濯が終わると急いで歯を磨きに行って、
ベットに入った。
すでに入っていた湊は本を読んで
待っていた。
「何の本?」
「うん?これは、洋書だよ。」
「英語だらけ。そっか昔、行ってたんだ
もんね。」
「うん。そろそろ寝よっか。」
「うん。おやすみ。」
そう言うと湊もおやすみと言ってくれた。
眠そうにしていた湊が、
話掛ける。