黒猫眠り姫〔上〕[完]
「飯食いに行こう。鈴何食う?」
「パスタ。」
「じゃ、食いに行くか?」
「うん。行こう。」
家から出た。
pipipipipipi~
ケータイの音が鳴り響く。
「あっ、俺のだ。ちょっと、待って
て長電話になりそう。」
そう言いながら苦笑いをして少し離れた
ところで電話に出た。私は、家の前に立つ
のも嫌だっため横に移動してぼーっとして
いた。10分ぐらいして家に入る人が現れ
た。よく見ると母と知らない男。濃厚なキ
スシーンを見せられ吐き気が襲う。憂鬱になる。
それから、男が家から出た後に父が知らない
女と一緒に帰ってきて女の人はすぐ帰って
いった。父が家に入った瞬間、息を潜めな
がら庭に入る。耳を澄ませて話し声を聞く。
「あなた、またあの女と一緒にいたのね。」
「お前こそ。」
「最低ね。」
「お前も同じことしてるだろ。」
「そういえば、鈴あの子はどこにいってるの
かしら。でも、助かったわこれで邪魔なもの
がなくなった。あなたともさようならね。」
「ああ、そうだな。あの子があんなにも聞き
わけのいい子で助かったよ。戸籍上では、俺が
引き取ることになってるから。」
もう、うんざりだ。聞かなきゃよかった。