黒猫眠り姫〔上〕[完]
「鈴はずっとこんな居ずらいところに
居たのか?」
「最初は仲が良かったよ。
いつからだろう。私が邪魔者になったの。」
「鈴?」
「もう慣れたから平気。ご飯食べに行こう?」
「うん。じゃ、行こう。」
「湊にはまだ言わないで。自分で言いたいの。」
「おお。わかった。」
家から離れると気分は大分落ち着いた。
桐のお勧めのパスタ屋に入る。
「鈴。何にするの?」
「カルボナーラ。」
「じゃ、俺トマトソースのにする。」
「トマト好きなの?」
「おお。うめぇーじゃん。」
「そう?」
「嫌いなのか?」
「別に、すきでも嫌いでもない。」
「じゃ、食ってみろ。」
「えっ、やだ。」
「だめ、食え。」
そんなやりとりをしてるうちにパスタが
テーブルに並ばれた。
「「いただきます。」」
その合図をすると桐にトマトソースの
パスタを口に押し込まれた。