黒猫眠り姫〔上〕[完]

周りに信用されるのもたぶん難しいことだ。

でも、友達という立派な関係だから、信じられる。

「ところで、鈴。」

急に満が話かける。

「うん?」

何だろう?

「鈴ってレストラン行ったこと

なさそうに見えるけどない?」

満は頭を掻きながらそう言って見てきた。

「えっと、レストラン?

あのファミレスというものなら

尚と行ったことあるけど?」

レストラン?

いきなり何を言うんだ。

「はぁ~。やっぱりね。

そういうところだと思ったよ。」

人の前でため息する失礼な人だ。

「・・・・・何それ?」

機嫌悪くなるのって可笑しいですか?

「まぁ、そう機嫌悪くならないでさ。」

という尚に免じて許そう。

「それで、何?」

一体、何が言いたいのだろう?

「それで、今から高級レストラン

行くんだよ。つまり基本のマナー

ぐらいは出来るかなってこと?」

し、失礼にもほどがある。

「レストランとか行ったことないような

気がするけど、家が家で小さい頃から

多少は恥じかかないようには教わってるから。」

全くもって失礼な人。

「そう。なら安心だね。」

そう言ってケータイを片手にどこかに行く満。

「それより、桐とか尚の方が出来るの?

湊は何か出来そうだから心配ないけど。」

そういえば、このマナー知ってるのかと

疑いたくなるような人は出来るのだろうか?

(↑失礼すぎる。)

「出来るよ。」

湊はそう言って笑う。

笑うっていつものことだけど。

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